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さまよえる日本人とオレンジ色の海（草思社）／青野聰

Name: さまよえる日本人とオレンジ色の海（草思社）／青野聰
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1978年3月25日第1刷発行。　ラテン系のami（友）とamour（愛）は語の響きが同じだが、英語のfriend（友）はfree（自由）を感じさせ、呼吸器が洗われるようですーすーと通りがいい。ぼくはフレンドを新大陸を求めて航海に出る自由な仲間と解釈している。（本作　109ページより）青野聰は、1943年7月27日生まれ、東京都出身の小説家です。 1962年に早稲田大学に入学、1966年に中途退学してヨーロッパに渡り、1977年2月まで、パリを拠点にロンドン、ギリシア、イスラエル、インド、メキシコ、グアテマラ、ボリビアなどを放浪し、この間の1972年に紀行散文集『天地報道』で作家としてデビューします。本作は、1978年にパリで旅行会社に勤めながら執筆された第二作目の作品にあたり、現在は『オレンジ色の海』と改題されて、1979年の第81回芥川賞受賞作『愚者の夜』に収録されており、単行本としては本書が唯一のものとなります。引用した文章からもわかるように、本作は著者を反映したと思われる〈ぼく〉が、パリを舞台に人生の主人公を演じる物語ではありますが、それはあくまで旅から旅へと移動する間の、ほんの瞬間の一コマに過ぎず、感情も風景も構築される前に刹那の忘却の彼方へと流されながら、次から次へと押し寄せる大海の波間に浮かび上がるしかない、旅の自由を選んだが故のアイデンティティの喪失感や、そのことに対する焦燥感も伝わってくるのが面白いと思います。経年による、色褪せ、変色、シミがあります。それ以外は美品です

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カテゴリ	本、雑誌、コミック文芸日本文学日本文学その他
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