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文庫「東電OL殺人事件」佐野眞一著

Name: 文庫「東電OL殺人事件」佐野眞一著
Price: 500 JPY
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ノンフィクションの名作といわれる本書「東電OL殺人事件」(新潮文庫、平成24年25刷。単行本は平成12年)。エリート会社員が夜は売春婦と化すが、何者かに絞殺される。彼女の客となったことがあり、事件現場となったアパートに隣接する部屋に住むネパール人が無実の罪をきせられる－－という事件です。著者の佐野眞一は事件の犯人に仕立て上げられてしまった容疑者の冤罪を確信。粘り強く取材を重ね、容疑者無罪の証言を集めていきます。現場百回を地で行く取材姿勢はノンフィクションライターの鑑ですが、いかんせん文章、表現がウェット過ぎるというか、大仰というか、小説のようなフィクションっぽい感じがして、どうにも自分には合わないなと思いました。例えば、著者は次のように書きます。被害者の遺体が発見された部屋の真下にある居酒屋に聞き込みに行きますが、めぼしい収穫はありません。その居酒屋を描写して<安酒のにおいと酔客の喧噪がムッとくる店内の天井にふと目をやると、いろは四十八文字を細かく書きつらねた和紙状のクロスが貼られていた。それは、耳なし芳一が悪霊をよけるため、自らの体に施した経文のようだった。じっと見ていると、その経文の後ろから彼女の呪詛と無念が血のようににじみだしてくるように思われ、私は思わず煤けた天井から目をそらした>(64ページ)。このような表現が多く鼻につきます。これが好きという人もいるでしょうが、自分には合わなかった。「もっとスッと書かんかいっ!」と。最終章は著者と精神科医との対話で、殺されてしまったエリート社員=売春婦について考察しています。被害者がなぜああなってしまったのか。著者の取材でもそれは分かりませんでしたが、最終章では、病気によって50代で亡くなってしまった父親との関係性を挙げながら「自己処罰」だったのではないかと言います。佐野の著作は本書しか読んだことがありません。有名ライターなので、かねて読んでみたいとは思っていたのですが、例の「ハシシタ事件」(2012年)で「メッキがはがれちゃったかな」という印象を受けて気が進みませんでした。名作もあるのでしょうけれど……。本書にも見られるように、現場取材を何回も重ねるという姿勢は大いに評価したい点です。 ※中古本なので若干のシミ、ヤケ、シワなどがあります。気になる方はご遠慮ください。

#佐野

#東電ol

出品日時：2025年1月4日 21:58

カテゴリ	本、雑誌、コミック文芸ドキュメンタリー事件、犯罪
商品の状態	目立った傷や汚れなし
配送の方法	おてがる配送（ヤマト運輸）
発送までの日数	2〜3日で発送
発送元の地域	神奈川県
商品ID	z394259848