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「世界の名著 40 キルケゴール」桝田啓三郎責任編集中央公論社発行昭和41年9月20日初版発行

Name: 「世界の名著 40 キルケゴール」 桝田啓三郎 責任編集 中央公論社発行 昭和41年9月20日初版発行
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商品説明

「世界の名著 40 キルケゴール」キルケゴール著桝田啓三郎責任編集中央公論社発行昭和41年9月20日初版発行 598頁画像 2頁函入りサイズ約19cm×14cm×3.9cm 定価 480円函付きビニル函カバーなしビニル表紙カバー付き月報付き（参考文献が載っており大変有用）函ヤケ、しみビニル表紙カバー良好本体三方小口ヤケ。天小口にしみ本体頁幾分ヤケ。状態良好。【収録作品】「哲学的断片」（杉山好訳）「不安の概念」（田淵義三郎訳）「現代の批判」（舛田啓三郎訳）「死にいたる病」（舛田啓三郎訳）（以下、「月報」より）現代に生きるキルケゴール〈対談〉椎名麟三、舛田啓三郎魂のドキュメント椎名きょう桝田先生とキルケゴールについてお話しするというのが、実はこわいのですよ。先生の非常に熱烈な、キルケゴールについての関心のもち方というか、つまり、学問的な関心以上のものを先生に感ずるわけです。今度この本の解説を読んで、先生がどういうわけでキルケゴールにはいられたか、よくわかりました、舛田いままで何回となく新聞などに書けといわれたが、書かなかった。二、三年前にも図書新聞に頼まれて、そのときもぼやかしておいたところ、今度は編集部からどうしても書けというので、恥をしのんで書いたというわけです。椎名ところで、キルケゴールをデンマーク語からじかに訳されたのぱ、先生が最初ではないですか。桝田宮原晃一郎という人がデンワ、ーク語から訳したと書いておられます。椎名その作品は何ですか。桝田『憂愁の哲理』という本です。椎名ああ、あれですか。最初ほくはあれでキルケゴールを知りました。あのなかの『あれか＝これか』を読んで、キルケゴールは詩人だと思ったんです。桝田詩人なんです。椎名キルケゴール自身は詩人を恥じていますけれど、たしかに詩人ですね。だから彼のものは非常に読みやすいのだな。ぼくはあれを読んで、哲学とうのは、これはやさしいと思った。桝田ところが、読めば読むほどむずかしくなる。(笑) 椎名彼は小説を書こうと思ったことがあるそうですが。桝田小説のプランもいくつか書ぎ残しています. 椎名自分の本を出すとぎに、先生は偽名と書いておられるが、つまり、地上に存在しない著者名を用いたり、それでいて自分が刊行者になったりしていますね。作品もそうだけど、そんなところも文学的ですね。桝田キルケゴールは、ああいう文学的表現をとらなければ自分の内面の悩みが書けなかったのだと思います。そうでなかったら、ふつうの哲学者と同じような本を書いていたにちがいない。非常に複雑なんですね、偽名をたくさん使わなければ表わせないほど。椎名キルケゴールの作品を読むと、「ああ、おれのことを言っているんだな」と思うほど、われわれ現代人の共感をよびますね。小説として読めるというと、ちょっとおかしな言い方ですが、おもしろく読める。一人の人間の記録というか、魂のドキュメントというのでしょうか、むずかしい哲学書の感じはまったくない。キルケゴールと現代桝田日本の作家で、キルケゴールを読んでおられるかたがいますでしょうか。椎名ちょっと思いあ.たりませんね。読んでいるんでしょうが、強く影響されたという人は、いないのじゃないですか。ぼくは『新日本文学』の文学賞の選考委員をやっていますが、今年だったか、五編の候補作品のうちの二編に、『死にいたる病』を読んだということが作品のなかに出てくるのです。しかし、それを読んでどういう感想をもったかということは書かれていない。アクセサリーとして出しているのではないかという気がしないでもないですが、とにかく、左翼運動をやっている人たちのなかに、『死にいたる病』を求めずにはいられない、現代のある問題があるのではないかという気がします。非常に興味が深かった。桝田表題につられて読む人が多いのじゃないかしら。椎名そういうこともあるかもしれませんね。しかし、現代の人間が、誠実に生きようとするとき、どうしてもぶつかる問題が展開されていますからね。桝田あれを椎名さんみたいに、内容をしっかりと受けとめて読んでいる人が、どれだけあるかと思うんです。椎名いや、ぼくもだめなんです。キルケゴールの分析は、すごい分析ですね。これがわからなければいけないと思って、一生懸命読んだのです。あの弁証法というのは、ほんとうに逃げ道のない弁証法で、ぼくは四年間というもの、ただ逃げ出すことばかりを考えた、どうやったら逃げ出せるかと。ぼくは『死にいたる病』のあの長い見出しを暗記しているのです。あれにキルケゴールの言わんとすることが全部集約されていますね。それから冒頭の文章も覚えています。「人間は精神である。しかし、精神とは何であるか?精神とは自己である。しかし、自己とは何であるか?自己とは、ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係である。あるいは、その関係において、その関係がそれ自身に関係するということ、そのことである」というように〔笑)。ちょっとむずかしくなってきたかな。しかし、あの「自己」ということの措定からいろいろと弁証法的な思索が発展していくのですが、あれを読んだら、現代の人たちはみな、感動するんじゃないかな。自分のなかに潜んでいるもの、自分のなかに無自覚にあるもの、それをキルケゴールによって、くっきりと形を与えられるという、そういう喜びというものはありますね。桝田それを悟った、知ったということの喜びはあります。椎名それをどうするかということになると問題ですがね。しかし、キルケゴールは、みんなに理解してもらおうと思って、苦心惨憺しているところがありますね。そして、書いていることが、現在のわれわれにぴったりあてはまることばかりです。最初のほうは畳みこんできますから、ちょっとむずかしいように思うかもしれないが、彼自身の体験、彼自身の苦悩のなかから生み出された作品なので、よく読めば、けっしてむずかしいものではない。ぼく自身の読書体験からぱそう言える。……

出品日時：2022年6月2日 23:20

商品の情報

カテゴリ	本、雑誌、コミック歴史、心理、教育哲学、思想哲学、思想全般
商品の状態	傷や汚れあり
配送の方法	おてがる配送（ヤマト運輸）
発送までの日数	3〜7日で発送
発送元の地域	東京都
商品ID	q1012776802 (Yahoo!オークションからの出品)